なににみえるかな?
日常生活のあらゆるものがパターンになる可能性を秘めています。これまでにも数多くのアーティストが、木目、石垣、染み、雲、さらには人工物の中から意図的に、パターンを探して来ました。ある日のこと。ふと手にした木片の表面に、線を見つけました。その線は年輪の一部であるため、それぞれの線は独特の形をしていました。木片に現れたその線は人間の指紋のようにも見え、同じ線はひとつとしてありませんでした。一見すると同じように見える木目でも、それぞれは特別な存在。繰り返される日常もまた、それぞれは二度と訪れない特別な日です。私が手にした木片は日常生活の一部であり、想像力の連鎖の出発点でした。